旧 清泉拝中 Old School Band
立川セントラル映画館12
2016年04月13日 23:51「リスボン特急」
仏映画「リスボン特急」は、フレンチ・フィルムノワールの巨匠「ジャンピエール・メルビル」監督の遺作となったギャング映画だ。
後年刑事役に扮したアラン・ドロンが失敗作と称した映画でもある。
映画の完成度は、さて置き私的考察に酔って観る事にした。
演出の小物類に監督の妙味が出ていて面白いと思った。
それは、やはりフランスのライバル国はイギリスなのだなと思ったことだ。
リチャード・クレンナらの演じる強盗団が乗る車は、盾目の独国車メルセデス、まあ~これはしょうがない、納得である。
しかし、ここからが問題だ。
映画の中で、刑事アラン・ドロンに情報を売るゲイは、颯爽と英国車ジャガーマークⅡで現れた。
なぜゲイがジャガーを運転するんだ?
そして監督の意図は、明らかになっていく。
強盗犯人役のリチャード・クレンナと落ち合って、逃亡を図りに来た情婦役のカトリーヌ・ドヌーヴが運転して来た車は英国の名車車バンデンプラ・プリンセスであった。
嘘だろう!ミスキャストだ。
配役は完璧だが、カトリーヌ・ドヌーブがバンデンプラをまさか運転しないだろう。
フランスは王朝が継承されるイギリスを今となって羨ましくてしょうがないのであろうか・・・・。
自分達で国王をギロチンにかけておきながら今さら・・・・。
話はつづく、
強盗団が着るトレンチコート、その銘柄にも監督は意図的な手腕を発揮した。
強盗団の下っ端が着ていたトレンチコートは、バーバリー製で ある。
強盗団首領のリチャード・クレンナが着ていたのはアクアスキュータム製のトレンチコートであった。
一説では英国軍の士官はアクアスキュータム、下士官はバーバリーを群から貸与されたとの話がある。
強盗団は英国製トレンチコートを着用していたが、アラン・ドロンら刑事達はトレンチコートを着ていなかった。
監督ジャンピエール・メルビルら映画製作者の意図は明らかとなった。
自由・平等・友情に栄光あれ!
そう言えば、「ただ名誉と栄光のためでなく」と言う戦争映画にアラン・ドロンも出ていたな・・・・。
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