赤のメイフェア　(ミニ・メイフェア)　GT浪漫三部作

赤のメイフェア

　誤解を残したまま彼女は、出かけた。

　些細なすれ違いをチョットした喧嘩に発展させたのは僕だった。

　白にしたらと言う彼女の言葉に過剰に反応してしまい「赤だよ赤、赤が一番いいんだ。」とつい声を荒げてしまった。

　何も怒るような話ではないのに・・・・。

　１９９８年式の僕らの「ミニ・メイフェア1300」は、真っ赤な顔をして勾配の強い曲がりくねったワインディング・ロードを息を切らし切らし登っていた。

　エンジンに負担となるエアコンを消しても辛い！

    カー・ステレオからは、ビートルズの「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」が流れている。♪

　峠を越えて額の汗を拭うと目の前に「72」が現れた！

　エンジンを切り汗ビッショリで車から降りると、彼女は笑いながら軽井沢倶楽部のハウスから出て来た。

　紺色のスコートが眩しい・・・・。

「随分と遅かったのね。何よこれ、ミニの屋根、白色に塗り変えてあるじゃない！あれ、エアコン付けたの！あんなにエンジンに負担かけるから嫌だと言ってたのに・・・・。エ～、カー・ステレオも、ＦＥＮしか聴かないんじゃなかったの！！」

　改善された「ミニ・メイフェア1300」を見て、「イイいかしら、キミ・・・・Rock'n'rollが人生じゃないのよ、人生がRock'n'rollなのヨ、しょうがない一緒に帰ってあげる！」

　Thank you♥